女房酔わせた朝。
少々深酒が過ぎたようだ…。
とにもかくにも頭が重い。
ふと周りを見回すと、大量の酒瓶が散乱している。
「……はぁぁぁぁ。」
彼は深いため息とともに、傍らですやすやと眠る彼女を見やる。
珍しく熟睡していて、亜麻色の髪に触れても身動きひとつしない。
ベッドから立ち上がると、声を上げている愛娘のところへ向かう。
昨晩は、重要なところで愛娘の夜泣きに阻まれた。
今も何かを訴えているようだ。
「よしよし」
泣きじゃくる愛娘を抱き上げ、背中を軽くぽんぽんとたたいてあやす。
抱き上げられると途端に彼の胸元に耳を寄せおとなしくなる。
そんな娘に目じりを下げられずにはいられなかったりする。
「あ〜あ。身も心も"親父"になっちまったなぁ〜」
愛娘を見ながら、ちょっぴり苦笑しながら朝ごはんを調合するのだった。
愛娘の空腹を満たしてやっておとなしくなると、
ベットですやすやと眠っている奥様の元に向かう。
最近子育てに熱心な奥様は、
肝心なところで魔法を掛けられたように睡魔に襲われてしまった。
折角の"チャンス"だったのに、睡魔と夜泣きに阻まれて、
実は何も出来なかった旦那様。
眠っている奥様はとても無防備で刺激的な姿でベッドに横たわっている。
「女房酔わせたかったけど、結局はただの深酒で終わったなぁ…」
…奥様はザルでした。
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