
AAが砂漠におち、暁の砂漠と行動することが、常になっていた、
ある日、いつもより、外がら騒がしい事に気付く。
休日だから少々はざわついていても気にはならないが、
今日は何か雰囲気自体が違っているようだ。
マリューは自室を出て、ブリッジに向った。
ブリッジに入ると、いつものメンバーが定位置におさまっている。
幸い、ナタルは休憩中で席を外しているようだが、
"あの騒ぎは何?"とクルーに尋ねると、
ノイマンが振り向き、
"恐らく、砂漠の人々が何かをやっているのでしょう"と答えた。
ふと、ブリッヂから、外に目をやると、人だかりが見える。
ブリッジクルーは特に気にせず、通常業務を行っているが、
彼女自身、外の賑わいに何かを感じた。
"ちょっと様子を見に行くわ…"とクルーに伝え、
ブリッジを後にする。
砂漠に降り立つと、空はからっと晴れ、風ひとつ無いいいお天気。
空を見上げ、小さく深呼吸をする。
人だかりにちかづくと、砂漠の村の大人や子供達が、
やんや、やんやと歓声を上げている。
見まわすと、AAクルーも何人か居ることに気付く。
何に対して騒いでるのか、騒ぎの元に目を向けてみると、
上半身裸の男たちがが白球を追っていた。
よく見ると、大人の背の高さくらいにネットがあり、
どうやらバレーボールをしているらしい。
「なんで、こんな砂漠の真中で?」
しばし、この騒ぎの中心を呆然と見つめていると、
あることに気付いた。
「しっ少佐…??」
バレーボールコートの中央ではムウとマードックが
半裸でバレーボールに明け暮れている。
相手方のプレーヤーは砂漠の村の人達だろう。
マードックが相手チームのスパイクを軽々とレシーブし、
上がったボールをムウがネットから胸まで出るくらい跳躍し、
そのボールを相手コートに打ち込む。
すると、割れんばかりの歓声が巻き起こる。
その歓声を尻目に、ムウが"いよっゃー"といいながら
パートナーのマードックと頭上でぱちんと両手をあわせる。
村の若い女の子達や子供たちが、その様子を見て、歓声を上げる。
今度はムウがサーブを打つらしく、ラインから少し離れたところで
ボールを手元でくるりと回転させながら空へ向けて放る。
目でボールの動きを捉えながら、軽く助走を付け、
ふわりと飛び上がる。
そして、空へ放った球が飛び上がったムウの手元に
すっと吸い付くように落ちてくる。
その瞬間…。
あっという間にネットを越え、
相手方のコート奥の左隅に吸い込まれるように落ちていく。
相手のプレーヤーが必死に追うが届かない。
マリューはそのムウの姿に魅了されていたことに気づく。
審判役の村人が"ぴっ"と笛を吹く音で、われに返った。
そのそばにいた子供たちが砂の上に点数を刻んでいく。
「わぁ、もうマッチポイントだぁ〜」
点数を任された子供たちがやんややんやと
ムウたちのコートの周りから声援を送る。
「少佐〜、そのサーブは大人気ないですよ〜」
マードックはムウに向け苦笑しながらぽりぽりと頭をかく。
「う〜ん、まあな。でも負けたくないしな〜」
そんな話をしていると玉拾いの子供たちからボールを渡される。
「おにいちゃん、今のもう一回やって〜」
子供たちからムウのスパイクサーブのリクエストが沸き起こる。
「よ〜し、見てろ!!」
といってから、先程の流れるようなスパイクサーブを繰り出した。
もちろん、またきれいに相手コートに突き刺さった。
「ウォンバイ地球軍!!」
審判役の村人がそう告げると、
"うぉ〜 "と砂漠の老若男女から歓声が上がる。
さっきからの喧騒はこの歓声だったのかと、
マリューは安堵のため息を漏らす。
「あっ、ヤバイ艦長がいる!!」
観客の中のAAクルーの誰かが気づいたらしい。
歓声の中心の人物も彼女の存在に気づいたようだ。
逃げ腰になっているクルーを横目で見てから、
手でまるで"落ち着け"というような形で静止させた。
「あらあら、艦長。こんなところへ、ようこそ」
ムウはにじんだ汗を拭いながら、
笑顔でマリューのそばへ歩いてくる。
マードックがムウの後ろでコート上に"あちゃ〜"という表情で
苦笑しながらたたずんでいた。
「これは何の騒ぎです?」
マリューが訝しげに尋ねると、ムウは
「休憩してたらさ、足元にボールが転がってきてさ。
ちょっと遊んでたの。艦長はどうしたの?」
「外が騒がしいようでしたので、見回りに来たんです。」
少々、つっけんどんに言い放つ。
マリューの反応に、ちょっと戸惑うが、
「まあまあ、もっとみていく?
ムウ・ラ・フラガ、ビーチバレーショーなんっつって♪」
ムウの言葉に、彼を取り囲んでいる子供たちが、
目をきらきらしながら騒ぎ出す。
「他のクルーはまだ職務中です。職務放棄とみなしますよ?」
少し語尾を強ていうと、ムウはマリューの肩をぽんとたたき、
「わかったわかった。艦長申し訳ございません。」
と言い放ち、周りにいたAAクルーを撤収させる。
ムウの直ぐ後ろにいた子供たちはとても寂しそうな顔をして、
撤収するクルーたちの姿を目で追っている。
そんな子供の視線をキャッチした彼は、ふと子供の前に戻り、
ボールを子供の手に持たせ目線を合わせる。
「ねえ、おにいちゃん、もうおしまいなの?」
とつぶやくと
「ごめんなぁ、俺、あのお姉ちゃんに怒られちゃったんだ。」
と後ろ手に艦長を見遣り、肩をすくめる。
「ねえ、僕もお兄ちゃんのようにぽぉ〜んって
打てるようになりたいよ。どうやったら出来るの?」
「うーん、うまくなりたければ皆で
楽しく練習すればうまくなれるさ。」
「うん、わかった〜 僕たち練習するよ!!」
子供は満面の笑顔でうなずくと、ムウの渡したバレーボールで、
ひょいっと頭上でトスを上げながらコートの方へ帰っていった。
ムウはその子供に軽く手を振ると、マリューの傍まで走ってきた。
その姿をほのぼのと見守っていたマリューが
あまり怒っていないことを感じ取ると、
「ねぇ、さっきの見てた?もしかして、見とれてた?」
子供たちにも負けない満面の笑顔で彼女に話しかけると、
「みっ見てませんし、見とれてません!!」
と慌てて否定する彼女がぽぅっと赤くなる。
「見とれてたんだ、図星だろ〜」
ちょっと得意そうに"ふふん"と微笑むと、
「実は君がAAから降りてくるのが見えたんだ。
だから、ちょっと張り切ってみたんだ。」
少し鼻の頭を擦りながら、マリューの顔を覗き込んだ。
そんなあっけらかんとしたムウを見て、
「でも、あれってちょっと大人気なかったですよね?」
なんて、照れ隠しにはぐらかして見る。
アテネオリンピック世界最終予選、5月8日から開幕です。
全日本女子では佐野優子たんに
ぜひぜひリベロ出場してもらいたいです、ハイ。
これは前回のバレーボール世界予選が終わったときに、
バレーボールしている少佐萌え〜で途中までかいていたのですが、
かなりムウマリュ熱が下火になってしまってて
PHASE51アンソロ読んで、急に幸せなムウマリュを生み出したくなって
勢いでやっちゃいました。
本当は食堂あたりでバレーボールやってたんですか?
何て会話をさせようと思ったんですけど、
ノリと勢いでその場でラヴラヴにしてみましたとさ。
ちなみに、マードックはセッターポジションで。
絶対猫田張りの仕事しそう。
マリューさんもあの背の高さはきっとバレーボールで
成長したに違いない。ひらりと猫のようにボールを拾い、
そして高いブロックの間をかいくぐってぴしゃりと。
まるで大懸(現・久光製薬成田選手)のように…。
(佐伯美香選手もアリだなぁ)
ムウはやっぱり頼れるスーパーエースですよな〜
バックアタックとか見てみてぇ。
ああ、ばれーぼーるなAAクルー萌え。
(女性で6人は無理そうだなぁ。)
ばれーぼーるin AA
ムウ スーパーエース 言わずもがな。頼れる大砲。
ノイマン レフト 器用にセットアップもこなせそう
トノムラ センター 背が高いからブロックが有効?
マードック セッター 仕事人ですから、意外に出来るかも。
マリュー レフト 久光の成田ばりに拾って打って大活躍。
ナタル ライト クールに行くならレオ(佐々木)のように。
リベロ チャンドラ?
男女混合じゃんって言う意見は却下で。(すいません)
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